思い出 語り草になっている 2020/12/27
思い出 語り草になっている 2020/12/27
「お控えなすって、、、、」とう仁義を切るという言葉がありますが、時代物映画や任侠映画ではよく出てくる場面です。
私がまだ20歳前後の事です。ある田舎の電機製造会社の寮生活の出来事です。本社は東京にあり、その地方工場に入社しました。寮には男女合わせて20人位だったか、元小学校を工場としていましたので敷地は大きく夜は恐ろしい位です。現在とは違いますから、その施設は粗末なもので始め、大部屋で10人位が住むように作られておりましたが、社長がその状態を見て「これはいかん、小部屋に作り変えろ」と鶴の一声で二段ベットの二人部屋となりその一号室に私は入所しました。
何しろ田舎の田舎、周りはただ田圃と畑、土地の人が山 と呼んでいる雑木林ばかりの寂しい場所でしたが、その田舎でもその村のメーンストリートがすぐ近くにあり、酒屋、郵便局、何でも売っている雑貨屋、美容院、一日数本しかないバス停などはありました。医院はありません。
そんな中での夏の夜の事です。
寮の住人7.8人だったと記憶します。夜の散歩と洒落込んだのです。
大通りですが、当時は砂利道で向うから数台のオートバイか自転車の灯りが見えて私たちに近寄ってきました。
昔で言うチンピラです、私達の前で止まり、何やらいちゃもんを付けてきました。私達女性軍は恐ろしくなり逃げかかりますと「待て」と言います
私達は恐ろしくて腰が抜けそうです。
すると すかさず、仲間のK君が、前の出てきて映画で見るような仁義を切る姿勢、右手を出して中腰になり、それも大阪弁です、身体は大きいし、その姿は様になっています。「お控えなすって、、、大阪は、、、、の何何組の者ですが、、、、」というではありませんか。
まるで映画をみるような光景にあっけに取られてしまいました。チンピラたちは驚いたようで、態度もいっぺんに変わり私たちは解放されましたが、その後暫くしてそのチンピラ一人らしい男にその時の散歩仲間の男性がいきなり道で殴られたそうですが、何な何だか分らずじまいでいたところ、人違いをされたらしく「警察には言わないでくれ」と頼まれたそうです、その100m先は交番でした。
何が何だか分からずじまいでこの話は終わりました。時々この話、語り草になっている我が家でした。
後日 k君にその 何何組 とはほんとう事かと聞くと、以前大阪で知人がその組の事を話していたので、咄嗟に 大阪なら嘘をついてもバレないだろうと思い立ったとの事でした、今でもその姿は頭に残っています。機転を利かすとはこういう事の事かとその時思った事でした。 これが良いか悪いかわかりませんがその時、助かった事で良しとします。
年賀状を購入時に郵便局から貰った物です
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